宮古高校科学部(沖縄県宮古島市)が2020年、宮古諸島の固有種で絶滅危惧種ミヤコカナヘビの過去の分布状況を住民に聞き取り調査してまとめた論文「子どものころはミヤコカナヘビが身近にいたよ」が、3月31日発行の沖縄生物学会誌第60号に掲載された。

絶滅危惧種のミヤコカナヘビ

ミヤコカナヘビの研究で発表準備をする科学部のメンバー=2020年1月30日、宮古高校(ともにどうぶつたちの病院沖縄の才木美香さん提供)

絶滅危惧種のミヤコカナヘビ ミヤコカナヘビの研究で発表準備をする科学部のメンバー=2020年1月30日、宮古高校(ともにどうぶつたちの病院沖縄の才木美香さん提供)

 当時部員だった7人(上地翔平さん、立津槙斗さん、伊川佳那さん、石川作実さん、神里秀美さん、徳嶺夏南子さん、徳嶺美南子さん)が宮古島市内の老人ホームやデイサービスなどを回り、50~100歳の208人にミヤコカナヘビの写真を見せながら、生息していた地域や時期を聞き取った。

 この結果、1970年代まで宮古島や伊良部島の広範囲で身近に生息していたことが明らかになった。眠っているミヤコカナヘビに刺激を与えても、ほとんど逃避行動を取らなかったことも判明。外来種に捕食されたり密猟者に捕獲されたりすると、すぐに数を減らす可能性を示した。

 副部長だった徳嶺夏南子さん(19)は「研究するまでミヤコカナヘビのことを分からず、見たこともなかった。みんなで考えるのは貴重な経験」と振り返った。現在は秋田大学理工学部生命科学科におり「動物の研究とは違うが、論文の書き方や調査の仕方、データ処理に生かされている」と話した。

 ミヤコカナヘビは96年に新種として記載されるまでアオカナヘビと混同されていたため、過去の生息状況は不明な点が多かった。研究は2020年、沖縄青少年科学作品展で県知事賞を受賞した。

 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄、琉球大学熱帯生物圏研究センター、世界自然保護基金(WWF)ジャパンが調査方法を助言するなど支援した。(宮古支局・當山学)