沖縄県南風原町出身で世界的に活躍する現代美術家の照屋勇賢さん(48)が20日、首里高校染織デザイン科の生徒に特別授業をした。過去約10年間で描きためた自身の紅型の下絵約200点を同校に持ち込み、生徒たちに披露。経験を基に着想から技法まで次々とアドバイスした。沖縄には紅型をはじめ世界に誇れる美の文化があるとして「若い人には外の世界に触れ、気付きを得ながらオリジナルを生み出してほしい」とエールを送った。

オバマ元米大統領のデッサン画に見入る生徒たち

独特の作風に見入る首里高校染織デザイン科の生徒たち

染織デザイン科の生徒たちに制作アドバイスをする美術家の照屋勇賢さん(右)=20日、首里高校

オバマ元米大統領のデッサン画に見入る生徒たち 独特の作風に見入る首里高校染織デザイン科の生徒たち 染織デザイン科の生徒たちに制作アドバイスをする美術家の照屋勇賢さん(右)=20日、首里高校

(社会部・城間陽介)

 染織デザイン科の作業室のテーブルに広げられたのは、戦後沖縄で米軍の圧政と闘った故瀬長亀次郎さん、県出身で元歌手の安室奈美恵さん、バラク・オバマ元米大統領など著名人のデッサンのほか、ウルトラマンやドーナツの写真、アニメーションタッチの独特のイラストの数々。

 照屋さんはこれらの制作エピソードを交えながら「紅型は型紙が大事。きれいなラインが描けたという時は、イメージに体が追いついた瞬間」と、うまく描けた下絵は保存し、時々見返すよう助言した。また、描く際には鉛筆だけでなく万年筆などさまざまな画材で試みることも勧めた。

 染織デザイン科に加わって見学した普通科3年の高安正樹さん(17)は、安室さんのイラストと写真を組み合わせた下絵に「こんな発想は見たことがない」。オバマ元大統領の特大デッサン画に見入った東江侑さん(17)は「鉛筆一本でここまで濃淡を出して立体感ある輪郭を描くのはすごい」と見入った。

 授業で描いた下絵を照屋さんに見てもらった嶺井百和子さん(18)は「絵の中で一つの色を連続的に使うのではなく、変化を出すと面白くなると言われた」と満足げだった。

 生徒から「どのように着想を得るのか」と聞かれた照屋さんは「人との会話が大事。整理されていない考えも声に出すことによってまとまることがある。クラスメートでおしゃべりして、頭の中の考えを外に出してほしい」と話した。