[okinawa復帰50年]

朝日大学が復帰50年の日に掲載した全面広告

朝日大学の大友克之学長

朝日大学が復帰50年の日に掲載した全面広告 朝日大学の大友克之学長

 今こそ平和を希求する-。沖縄の日本復帰50年を迎えた15日、朝日大学(岐阜県)が沖縄タイムスに全面広告を掲載した。大友克之学長のメッセージとともに、元沖縄県知事の大田昌秀さんが2015年に同大で特別講義した内容を紹介。遠く離れた岐阜県の大学がなぜ沖縄の節目に平和を発信したのか。大友学長は「わが国の国際化推進のためには史実を学ぶことが重要だ」と沖縄や平和への思いを語った。(社会部・銘苅一哲)

 大友学長は15年ほど前から個人的なフィールドワークとして通っていた沖縄で大田さんと出会い、来県するごとに大田さんが開設していた沖縄国際平和研究所を訪れ平和について議論を重ねたという。

 08年の学長就任後、同大が建学の精神に「未来の国際社会を切り開く社会性、創造性、人間的知性」を掲げる中、具体的な取り組みとして大田さんの沖縄戦体験を踏まえた特別講義を計画した。

 戦後70年の15年7月、大学に招いた大田さんは、沖縄戦の体験や知事時代に平和祈念資料館や平和の礎を作った理由を「子や孫に同じ苦しみをさせないため」と語り、戦争反対を呼びかける重要性を説いた。

 大友学長が平和を重視する背景には、母方の祖父の影響がある。戦前から戦中にかけて衆院議員だった曽祖父は翼賛会に身を置き息子である祖父を出征させた。

 「祖父は南方で命を落とし、母は戦後の苦労を含めて強い反戦意識を持っていた。平和教育はまさに家庭の中にあった」と話し、おもちゃの鉄砲を持つだけで叱られた幼少期を振り返る。

 成長して社会科を学ぶ中で「なぜ日本が戦争に進み、負けたかを授業で教えないのか」と教師に聞くと、「試験に出ないから」と聞かされ、教育に穴が空いていると感じたという。

 学長になった今、学生には国際平和のため自国の史実を学んでほしいと願い「歴史や文化、伝統を発信することで諸外国との相互理解を深めるのが日本の立ち位置。その手伝いができればと考えている」と語った。