沖縄県大宜味村大保にある非営利のリサイクル店「断捨離ショップ」で4日、非売品の花瓶などが盗まれたことが分かった。同ショップを運営する瀬長瞳さん(84)が、名護署に窃盗の被害を届けた。瀬長さんは「静かで平和な地域でこんなことが起きるなんて。盗んだものをそっと返してほしい」と訴える。

盗まれた山田真山作の花瓶などがあった場所を指さす瀬長瞳さん=13日、大宜味村大保の断捨離ショップ

■こつぜんと消えた7点

 盗難に遭ったのは、沖縄県出身の画家・彫刻家の故山田真山さん作の花瓶、素焼きのシーサーなど7点。瀬長さんの自宅の離れにある店内で、「非売品」「瞳のコレクション」と表示した棚に置いてあった。

 4日午前9時ごろ、リサイクル品の整理をしていてコレクションがなくなっていることに気付いた。発覚前の数日間は、離れのドアに鍵をかけていなかった。

 山田さんは、糸満市摩文仁の沖縄平和祈念堂にある沖縄平和祈念像の原型を制作したことでも知られる。

■カナダで発見し即購入

 盗まれた花瓶は8年ほど前、瀬長さんがカナダ在住時にリサイクル店で偶然見つけた一品。細身で高さ約15センチ。グレーの地に、カンプーを結った琉球女性が藍色の線で描かれ、そのそばに「山田真山作」と記されていた。

 「異国の地で、故郷の芸術家の作品に出合って感動した」と瀬長さん。即購入したという。

 陶磁器やガラス、おしゃれな置物が好きな瀬長さんは、自分の店を訪れる人にも楽しんでほしいと、国内外で収集したコレクションを展示していた。「そこを狙われた。骨董(こっとう)品の知識がある人に違いない」と肩を落とす。

 「沖縄が誇る芸術家の山田さんの花瓶はプライスレス。お金に換算できない価値がある。県民全体の財産だ」と瀬長さん。盗んだ人へ「ここにそっと戻すか、せめて、山田さんの遺族や博物館に渡るようにしてほしい」と呼びかけた。(北部報道部・金城健太)