本当に、マスクを外していいのかどうか-。政府は23日、距離があったり会話がなかったりする場合は着用しなくていいと決めたが、沖縄県内では新型コロナウイルスの感染者数が高止まりしている。未就学児に「着用を一律には求めない」という曖昧な表現にも戸惑いが広がる。夏に向けてマスクから解放されたいのはやまやまでも、まだためらう人が多い。(社会部・普久原茜)
政府はオミクロン株が広がった2月以降、2歳以上でマスクができる子どもには推奨していた。今回、着用を一律には求めない以前の扱いに戻った。
浦添市のライオンの子保育園の末広尚希理事長は、曖昧な表現のままでは責任は各施設が負うことになり、園児のマスクを外させる所は少ないと推測する。「息苦しくて活動量が制限されるなど、マスクのデメリットは計り知れない。行政は具体的な方針を示してほしい」と、県や市町村が規定を通達することを求める。
小学5年生を頭に3人の子どもがいる大浦淑恵さん(35)=浦添市=は「大人がマスクをしていたら子どももそれに従わざるを得ない現状がある。子どもたちが自分で着脱を選べる環境になってほしい」と願った。
23日、那覇市の新都心公園のランニングコースではウオーキングやランニング中の20人のうち9人がマスクを着けていなかった。その一人、40歳の男性は「着脱は臨機応変でいいのでは」との考えを示した。
一方、マスクを着けてウオーキングしていた上田昭子さん(78)=那覇市=は政府の方針は知っていたというが、「今の沖縄の感染状況ではマスクを外すのはちゅうちょする」と話す。
屋外の仕事でも、マスクを手放せない人は多い。駐車場整理の仕事をする50代の男性は、会社からの指示はないものの、利用者の目が気になる。夏が近づくにつれマスクのつらさは増していくといい、「早く感染状況が落ち着いて外せるようになってほしい」と望んだ。