以前と比べてワクチン接種が進み、治療薬が開発され、オミクロン株の重症化リスクが低いことも分かってきた。新たな知見や状況の変化に応じて、マスク着用の在り方を見直すのは妥当だろう。
暑い沖縄で必要以上にマスクをしていれば健康を害しかねず、表情が隠れたままのコミュニケーションでは子どもたちの発育にも影響が出ることもあり得る。
一方で感染は収まっておらず、医療逼迫(ひっぱく)も懸念されている。お年寄りなど重症化リスクの高い人と会うときにはマスク着用が望ましい。大切なのは、対応にメリハリを付けることだ。緩和できることは緩和し、守るべきことは守る。その方が、コロナとの長期戦に備えられる。
同時に、検査のアクセスを向上させたり、病院に患者が殺到しない仕組みを強化するなど、社会的な環境の整備も求められる。
(筑波大学客員教授、談)