沖縄県の玉城デニー知事は25日、県庁で記者会見し、新型コロナウイルスへの対応で、屋外で人と距離を保てる場合や会話がない場面はマスク着用は必要ないとの方針を示した。政府の対応方針を踏まえた。一方で、沖縄本島と宮古地域へのコロナ感染拡大警報を6月9日まで継続すると発表した。25日の新規感染者は10歳未満から90歳以上の男女2081人で、過去2番目に多かった先週18日の2560人から479人減少した。(社会部・銘苅一哲、政経部・又吉俊充)
県は夏場の熱中症予防の観点から、屋外でマスクを外すよう推奨している。屋内外を問わず2歳未満のマスク着用は推奨せず、2歳以上の未就学児も周囲の大人が体調に注意した上で着用させるかを判断するよう求めている。
学校では距離が確保できる場合や体育の授業、部活動で着用は必要ないとしている。県教育委員会は小中学校を所管する市町村にこうした内容を通知した。
県内で感染者数が高止まりする中、マスク着脱の判断に戸惑いも予想される。玉城知事は「対応を県民に判断してもらうのは非常に難しいが、しっかり対策をして健康をキープしてほしい」と呼びかけた。糸数公保健医療部長は「(屋外の非着用は)感染対策の緩和というより熱中症を避けるため」だと強調した。
県は医療体制を守り安定的な社会経済活動を維持する対策期間として、6月23日まで県全域で予防の徹底を求めた。
各圏域の新規感染者数が前週比2倍を超えた場合や病床使用率が60%以上となった場合は、まん延防止等重点措置に準じた対応の政府への要請を検討する。
新規感染の2081人は10歳未満の418人が最多で、10代が352人。24日時点の10万人当たりの感染者数は920・26人で全国ワースト。米軍関係は78人だった。
26人の感染が確認されていた県立中部病院でのクラスター(感染者集団)2件は、感染者が8人増えて計34人となった。