【東京】県出身の俳優で東京を中心に活躍する津嘉山正種の一人朗読劇「『戦世(いくさゆう)を語る』-77年前、沖縄を生き延びた人たちの証言」(主催・劇団青年座、特別協力・沖縄タイムス社、那覇商業高校同窓会)が6月18~20日、那覇市久茂地のタイムスホールで開かれる。凄惨(せいさん)な地上戦をくぐり抜けた人々の証言を紡いだ物語。津嘉山は「人間が人間でなくなる戦争について考えるきっかけになれば」としている。(東京報道部・照屋剛志)

「戦争体験者の思いを伝えていきたい」と語る津嘉山正種さん=21日、東京都渋谷区・青年座

 沖縄戦体験者の証言集や収録テープなどの膨大な資料を読み込み、物語を練り上げた。登場人物は、逃げ惑う母親やお年寄り、日本軍将校まで多岐にわたる。津嘉山は「数々の視点を通して、当時の様子を再現した」という。

 「住民を守るはずの日本兵が泣く子を殺せと命令する。集団自決(強制集団死)を強いてくる。非人道な事実があちこちで起こっていた」と指摘。あまりにも悲惨な体験のため人々は口を閉ざし、語り出すまでに長い時間を要した。「つらすぎて話せなかった人たちが、それでも語らなければいけなかった。戦争は起こしてはいけない、との思いを伝えたい」と力を込める。

 過重な基地負担、米軍による事件事故-。今も沖縄で続く課題は「沖縄を捨て石にした沖縄戦が全ての起点」と言い切る。

 自身は終戦を1歳で迎えた。「県民の4人に1人が命を落とした戦闘で、生きているのは運としか言いようがない。生き延びた世代として、平和の尊さを次代につなぐ責任がある」

 「戦世を語る」は1991年に津嘉山が企画し東京で上演して以来、31年ぶりの舞台。県内では初めてとなる。2018年の「人類館」、19年の「沖縄の魂『瀬長亀次郎物語』」に続く、ひとり語り「沖縄の魂」シリーズの第3弾。

 開演時間は18日が午後6時、19日は午後2時、20日は午後7時。料金は前売り4千円、当日4500円。

 問い合わせは沖縄タイムス社文化事業本部、電話098(860)3588。

(写図説明)「戦争体験者の思いを伝えていきたい」と語る津嘉山正種=21日、東京都渋谷区・青年座