9月11日投開票の知事選に向け、対決の構図が固まった。自民党県連の選考委員会は5月28日、前宜野湾市長の佐喜真淳氏(57)を候補者に決めた。現職の玉城デニー氏(62)と事実上の一騎打ちとなる公算で、4年前と同じ2氏が競う選挙戦となる。

 今回の知事選は、復帰50年の重要な節目に統一地方選が重なる選挙イヤーの天王山だ。両氏はポスト復帰50年の道筋を描き、有権者に訴えかけてほしい。

 佐喜真氏は選考委主催の公開演説会で「4年前の知事選挙で落選して以来、街頭から朝のあいさつ運動を約700日間続けてきた」と強調。

 政策では新型コロナウイルス対策や、沖縄への観光誘客強化、脱炭素社会への投資、貧困の連鎖からの脱却などを重視する考えを示した。

 選考委員による投票を経て、委員26人が全会一致で決めた。

 一方の玉城氏は再選に向け、6月11日に立候補を正式表明する方向で最終調整しており、選挙ムードは一気に加速する。

 争点には、名護市辺野古の新基地建設や、自衛隊と米軍が計画している南西諸島の攻撃拠点化への対応などが想定される。

 新型コロナで疲弊する県経済を立て直すため「ウィズ・アフターコロナ」に対応する政策も重要だ。

 子どもの貧困対策と子育て支援、全国最低水準の県民所得の向上、返還される米軍基地の跡地利用計画なども含め、未来を見据えたグランドデザインを示してほしい。

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 新基地建設に反対する玉城氏に対し、佐喜真氏は前回の知事選で賛否を明言しなかった。全県的な関心事であり、スタンスを明確に打ち出す必要がある。

 4年前は急逝した翁長雄志氏の「弔い合戦」の様相もあり、玉城氏が8万票差で圧勝した。今回は首里城火災やコロナ禍の対応を含め、1期目の県政運営への審判となる。

 「オール沖縄」は翁長氏という絶対的な支柱を失い、経済界の重鎮も相次ぎ離脱。直近は名護、南城、石垣、沖縄の各市長選で4連敗した。知事選の結果次第では土台そのものが揺らぎかねない。

 一方の自公は北中南部と離島で満遍なく足元を固め勢いに乗るが、8万票差の逆転は容易ではない。玉城氏は前回、無党派層から70%の支持を受け、勝敗を分けた。佐喜真氏は幅広い有権者の共感をどう得るかが課題になる。

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 今回は統一地方選と重なるのも特徴だ。宜野湾市など4市町村長選と、15以上の議会選挙が9月11日に集中する。セット戦術を組みやすい首長選はもちろん、候補者が多い議会選の複雑な日程を組み込む陣営の戦術も重要になる。

 前回はSNS上でのフェイク(虚偽)情報の横行も問題になった。ネットで誰もが候補者の情報へアクセスできる時代だが、中身の真偽は慎重に見極めたい。

 2氏は自身の考えを有権者に直接伝えるためにも、公開討論会へ積極的に参加し、開かれた場で活発に政策論争を戦わせてほしい。