チームの活躍に心からの拍手を送りたい。

 プロバスケットボール男子Bリーグ1部のチャンピオンシップ(CS)決勝戦で、琉球ゴールデンキングスは宇都宮ブレックスに惜しくも敗れ、準優勝となった。優勝にあと一歩及ばなかったものの、B1での過去最高位を獲得した。

 決勝戦は序盤に岸本隆一選手や今村佳太選手が3点シュートを決めたが、全体のシュート成功率が伸びず厳しい戦いを強いられた。しかし司令塔の並里成選手が欠場するなど万全でないなか中盤にはドウェイン・エバンス選手らの活躍で一時逆転する場面も。出場した選手全員が最後まで諦めないプレーを見せた。

 新型コロナウイルスの感染拡大はこの間、さまざまなスポーツに影響を及ぼしている。2020年にはB1も19試合を残したままシーズンが途中終了した。

 そんな中でもキングスは、選手同士が対戦する様子をライブ配信するイベント「団結の力プロジェクト」を開催するなど、県民とのつながりを忘れなかった。

 今季はけがで離脱する選手が相次ぐなか全員バスケで勝ち進み、レギュラーシーズンではB1過去最高の勝率8割7分5厘を記録した。

 準決勝が行われた本拠地の沖縄アリーナには、決勝をしのぐ観客8千人超が駆け付けた。その声援に応え劇的な逆転で勝利を手にしたチームの姿は、地域と共にあるスポーツを体現している。

■    ■

 バスケは沖縄の人気スポーツの一つだ。県内の競技人口は3月1日現在1万3768人で人口比では際立って多い。

 スピードや技術で勝負する独特のスタイル「沖縄バスケ」は、米軍統治下に培われた。米兵との交流試合などを通して、いかに大きな相手に勝つかを学んだという。

 そんな沖縄バスケが44年前、山形総体で「辺土名旋風」と呼ばれる現象を巻き起こした。平均身長169センチの沖縄代表の辺土名高校が180センチ以上の他県勢を退け全国3位と躍進したのである。日本のバスケ界に新風を送り込んだとして当時、同校には総体初の敢闘賞が贈られた。

 「沖縄のバスケの歴史、歴代の先輩方が築いてきたものの象徴がキングスだと思う。歴史をしっかり感じながら戦いたい」。復帰50年の年に挑むCSを前に語った岸本選手の言葉だ。試合を重ねて成長してきた沖縄バスケの成長と、沖縄の戦後史が重なる。

■    ■

 キングスは現在300社を超える県内スポンサーに支えられている。運営会社は売り上げを伸ばし、17年には地域経済への影響が大きく成長性の高い企業として「地域未来牽(けん)引(いん)企業」に選定された。昨年度は約20億円を売り上げた。

 発足時から常に県出身、県関係の選手が主力として活躍しており、入団を目指す子どもたちも多い。

 県内は来年、日本で唯一、男子ワールドカップ(W杯)1次リーグの舞台にもなる。沖縄の希望であるキングスの活躍に今後も目が離せない。