貧困や暴力にさらされる沖縄の若者を実話に基づいて描いた工藤将亮監督の映画「遠いところ」が、7月にチェコで開催される第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭の最高賞を競うコンペティション部門に、日本映画として10年ぶりに選出された。

工藤将亮監督(提供)

 工藤監督は5月31日、「招待を受け大変光栄。沖縄で撮影した本作が世界の人々にどう受け止められるか、日本で生きる若者の叫びをどう感じてもらえるか、楽しみにしている」とのコメントを発表した。

 主人公は、夫の暴力や貧困に直面する17歳の少女。繁華街に集まる若者や生活困窮者の支援団体などへの取材を重ね、全編沖縄で撮影した。

 「大人たちは自分勝手に振る舞い、自己のために若者の未来を踏みにじっている」と指摘する工藤監督。

 「政府は防衛費や在日米軍駐留経費負担(思いやり予算)には糸目を付けないが、シングルマザー(若年母子の家庭)たちの支援や保護は考えていないかのようだ。クソッタレな現状に映画で反抗できることはないかと制作した」と意図を説明した。