人材紹介のマイナビ(東京)は、沖縄で完全オーダー型の社宅提供事業を始め、県外や海外からの人材採用の基盤整備に乗り出す。また日本トランスオーシャン航空(JTA)は過去2年停止していた中途採用を再開するなど、新型コロナウイルス禍で「人手不足」が続く県内で、コロナ禍からの回復を見据えた人材確保の動きが活発化してきた形だ。専門家は「経済回復のために、特に観光業での人材確保など、受け入れ態勢の整備が求められている」と指摘する。(政経部・川野百合子)

マイナビの新事業のイメージ

 人材紹介が本業のマイナビは、新規事業として社宅提供サービスを展開する。立地や部屋数、設置家電、駐車場数などの企業側の要望を聞き取り、マイナビがオーナーとなって社宅を建設。企業に一括で借り上げてもらう仕組みだ。

 リゾートホテルなどへの営業を想定しており、既に数社と検討を進めている。企業側にとっては、福利厚生として人材確保の面で大きな強みになる。また通常は、入居者の変更のたびに必要な仲介手数料や初期手数料などの諸費用が不要で、管理のコストや業務の削減が見込める。

 マイナビの担当者は「沖縄は隣県からの通勤ができず、住居を探すことが難しい。住環境を整えることが企業の採用力の強化や県内経済にとっても有効だ」と話す。

 一方、JTAは1日、2022年度入社の社会人採用「キャリア採用」を始めると発表した。直近21年度の業績は74億円の赤字だったが、夏場の需要回復を取り込み黒字化への転換を図るため、戦略的に人への投資を進める考えだ。

 日本銀行那覇支店の企業短期経済観測調査(短観)の「雇用判断DI」では、県内はコロナ禍の中でも一貫して「不足超」を示す。

 りゅうぎん総合研究所の武田智夫常務は「留学生など外国人材の流出が進んでおり、いかに人材を確保できるかが鍵になる」とする。4月の有効求人倍率は上昇したが、正社員の有効求人倍率はあまり上がっていないと分析。「正職員雇用に取り組まなければ、条件面から選ばれなくなり需要を取り込めなくなる恐れもある」と指摘した。