沖縄や外国ルーツの人々に対するヘイトスピーチの深刻さを伝えようと、市民グループ「沖縄カウンターズ」は5日、那覇市内で企画展示と学習会を開いた。2月に限定公開したネット上のヘイトスピーチ展示を初めて一般にも公開。延べ50人余りが訪れた。メンバーの男性(53)は「私も参加する2年前までは、もやもやを抱えてきた。多くの人たちに知ってもらう機会になれば」と話した。(社会部・平良孝陽)

ネット上に広がるヘイトスピーチを可視化した展示=5日、那覇市

 展示は、沖縄市で高校生が失明した事件の後、SNSやニュースサイトのコメント欄などで広がったヘイトスピーチ191点を紙に印刷し、可視化した。スペースを区切って、見たくない人の目に入らないように配慮した。

 このほかパネルで、人種や国籍などの属性を攻撃するヘイトスピーチの定義や、差別を動機とするヘイトクライム(憎悪犯罪)の事例を説明。全国の自治体の取り組みや、市民団体が求めている条例の前文も掲載した。

 条例を巡り、県は専門家を交えた検討委員会を終えており、パブリックコメント(意見公募)を経て制定する考えだ。県に対応を求めている喜友名智子県議(立憲おきなわ)は展示会に訪れ「ネット上のヘイトスピーチを見なければ良いという指摘もあるが、根本的な解決にはならない」といい、あらためて条例の必要性を訴えた。

 展示された差別扇動の言葉の数々を前に、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は「ネットの匿名性がこうさせているのか、理解に苦しむ。一線を越えているのではないか」と首をかしげた。

 沖縄市の20代男性は「ネットで見てはいたけれど、何度見てもひどい。私も何かできることはないか」。那覇市の会社員女性(32)は「どうしたら止められるのか。文言が定型化していて、より増幅しやすくなっている」と話した。

 おことわり 差別の実態を共有してなくすため、差別表現が含まれた写真を掲載しています。