地域資源を活用した製品の企画・開発に取り組むフードリボン(沖縄県大宜味村、宇田悦子社長)は、バナナの茎やパイナップルの葉から天然成分を取り出し、糸やスプーン、フォークなどへの製品化に取り組んでいる。繊維を抽出する方法や装置などは特許を出願している。使い終えた製品は最終的に土に返す循環型社会の実現を目指しており、沖縄発の事業としてアジアでの展開も視野に入れる。(政経部・知念豊)

パイナップルの葉の成分で作ったスプーンやフォークなど(提供)

バナナの茎(右)から抽出した繊維(提供)

パイナップルの葉の成分で作ったスプーンやフォークなど(提供) バナナの茎(右)から抽出した繊維(提供)

 同社は2017年に設立し、農作物から出る廃棄物を生かそうと、シークヮーサーの搾りかす部分から取れるノビレチンを使用したサプリメントなどの製品化に取り組んできた。19年には、パイナップル収穫後に肥料として使えず、処理に困っていた葉の部分から繊維を取り出す事業を開始。21年からは、パイナップルの葉の成分で作ったバイオプラスチック(パイナップル葉繊維)ストローの製造・販売を始め、県内のホテルや飲食店など100社以上が採用、現在までに200万本以上を販売した。

 バナナの茎も、果実の収穫後は多くが廃棄されている。5月から本島北部の畑に残された茎から繊維の取り出しを始め、初回は1トンの繊維を取り出す予定。Tシャツ1枚作るのに必要な生地は200グラム程度で、県産の原料を使ったTシャツや着物の帯、小物類、靴、タオルなどの製品化を目指す。既に県内外の企業から問い合わせがあるという。

 パイナップルは、6月の収穫期を終え次第、廃棄された葉から繊維を30トンほど取り出す。繊維以外にも抽出した時に出る残りかすを活用し、歯ブラシやドリンクカップなどの製品化を予定している。

 バナナの茎やパイナップルの葉は生産者から有料で買い取り、生産者の収入につながる。製品の使用後は回収し、最終的には炭として畑に返す循環型の仕組みの構築にも取り組む。

 同社は原材料が多く取れるアジア地域での事業展開も検討。担当者は、アジアの農家は所得が低く貧困層が多いとし「沖縄発の技術を広め、社会課題解決にも結び付けたい」と話した。