[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1280)

 前立腺がんはおじいちゃんのがんで進行が遅いから検診なんて受けなくていい、とよく聞きますが、それは本当なのでしょうか?

 日本における前立腺がん罹(り)患(かん)数は増加しており、2002年、12年の罹患数はそれぞれ2万9345人、7万3145人であり、15年には男性のがん罹患数1位となっています。

 年齢別でみてみると、70~74歳で最多です。この結果から前立腺がんは決して少なくなく、また人生100年時代と言われる昨今、70代前半は決しておじいちゃんではないと思います。

 前立腺がんの死亡数をみてみると、15年は1万1326人です。この数値だけ聞いてもなかなかピンとこないと思いますが、これは男性がん部位別死亡数の第6位という結果であり、決して死なないがんではありません。

 一方、大規模な臨床試験や前向き観察研究では、前立腺特異抗原(PSA)と呼ばれる前立腺固有の腫瘍マーカーなどを調べる検診によって死亡率が低下することが証明されています。

 前立腺がんは大きく二つ(限局性がんか転移性がん)に分けることができ、それぞれで主な治療法が異なります。

 限局性がんの場合は(1)監視療法(2)手術療法(3)放射線療法(4)ホルモン療法-があります。このうち手術と放射線療法が、完治の可能性が高い治療法となります。

 転移性がんについては、すでにがんが全身にまわっていると考えられますので、全身のがんに効果があるホルモン療法や化学療法が選択されます。

 どの治療法を選択するかは、個々人のがんの状態や、治療選択によって得られるメリット・デメリットなどを勘案して選択する必要がありますので、主治医とよく相談することをお勧めします。

 検診をしっかり受けることが早期発見につながり、効果的な治療で根治を目指すことができます。人生100年時代を健康で実り多いものにしていきましょう。

(仲西昌太郎・琉球大学腎泌尿器外科=西原町)

=第2、4木曜日掲載