沖縄もだんだんと暑くなってきましたね。夏バテなんて言う人もいますが、キッチンで毎日料理する人も大変なことを分かってほしいものです。今回は火を使わずに体を温めるというなんとも不思議なレシピをご紹介します。夏とはいえ、職場のクーラーで冷えることってありますよね。そして帰りのバスに乗るまで蒸され、バスで冷やされ、家に着くまでまた蒸され・・・。そりゃあ、自律神経も疲れますよね。「夕飯は手のかからないものがいい」「作り置き最高!」というあなたにピッタリです。どうぞお試しください。

さっぱり美味しい! ネバリスターとらっきょうのだし(コスモフーズ提供)

「疲れた。とにかく私は疲れている。なので夕飯よろしく」
「え・・・(またかよ)」
菜美「はぁ? なんか言った?」
「いや、何でもないです。今週の野菜はなんだろう。僕も疲れているから簡単なものでいいかな?」
菜美「もうね、職場がクーラーがんがんきいてるから、寒くて寒くて。で、職場を出るとモワッと蒸し暑いでしょ。調子狂っちゃってさー」
「じゃあ、これがいいかな。『さっぱり美味しい! ネバリスターとらっきょうのだし』。クーラーや冷たい飲み物で冷えた身体の中から温め、汗で失った潤いやエネルギーも補えるよう体に優しい一品に仕上げています、ってよ」
菜美「棒読みかよ。ま、いいけど、早くしてね」
「はーい」

 

「レシピを見ると、包丁で切るだけじゃん。簡単でいいね」
「まずは①ネバリスターときゅうりは5ミリ角に切り、塩水にさらしておく、と。ネバリスターって山芋じゃないのか。一応ググってみると、イチョウイモの千葉在来種にながいも「ずんぐり太郎」を交配したものだと。ずんぐり太郎って(笑)。ぬるぬるして皮がむきにくいな。はい、5ミリ角に切りました」

 

「キュウリも5ミリ角に、なってないけど、まぁいいかな。ボウルに塩水つくってさらしておきます。ふんふん。味を馴染みやすくして、変色を防ぐ効果があるのか。やっぱり見た目は大事ですから」

 


「次は②島らっきょうを薄い輪切りにして、空気にさらして辛味を飛ばしておく、と。これも薄皮をむくのが面倒くさいんだよね」

 


「えーっと、水にさらすと栄養価が抜ける可能性がありますだって。野菜あるあるですな。キッチンペーパーの上に置いておきましょう」

 


「そして大葉、しょうが、ししとうは細かく刻んでおく、か。細かいというのがよく分からないけど、まあ適当に」

 
 
 


「さあ、早くも最後の工程です。③容器に水気を切った①②と塩昆布を入れ、Aの調味料を加えよく混ぜ合わせたら出来上がりですよ。切る・かける・混ぜる、だけで夕飯の一品ができるなんて」

 


「そして、冷蔵庫で冷やすと美味しさアップですか。じゃあラップして、その間にたまったお皿を洗って、洗濯物を取り込んで、たたんで。そうそう、掃除機とアイロンもかけなくっちゃ。・・・おかしい。共働きのはずなのに僕だけ忙しくないか?」
菜美「何か言った?」
卓「いや、少しは手伝ってほしいな~って」
菜美「ごめん。このドラマ、今日中にあと4話見ないと明日から新シーズンが始まるからさ。ごめんね。よろしく♡」
卓「(レンタルDVDじゃないから、いつでも見れるんじゃないのかよ?)。ご飯できたけど」
菜美「こっちに持ってきてー」
卓「はいはい。ネバリスターとらっきょうのだしです。どうぞ」

 

菜美「だしって、いわゆるだしのこと?」
「じゃなくて、山形の郷土料理らしいよ。冷やしてご飯にぶっかけて食べるみたい」
菜美「いただきます。ん? 味薄くないか?」
「そうかな。こんなもんじゃない」
菜美「水っぽい感じするけど、調味料ちゃんと計ったか?」
「いや、レシピ通りだと野菜が余ってもったいないから、適当に掛け算して入れたけど」
菜美「ちょっと来い」
「・・・はい」
菜美「そもそも料理の意味分かってる?」
「料理は料理でしょ。ご飯やおかずを作ることさ」
菜美「お前は料理人のくせに『美味しんぼ』を読んでないのか?」
「美味しんぼって、あの漫画の?」
菜美「そう。海原雄山先生が言ってただろ。料理とは「ことわりをはかる」ことだと。ことわりとは「理」のこと。つまり理科であり、科学なのよ」
「家庭科じゃなくて?」
菜美「ちゃんとレシピを見てみろ。細かくグラム数や調味料の量が指示されているだろ。今日のメニューにはないけど、レンジで何分とか中火で炒めろとか、その通りに作ったら、あんたみたいなド素人でも、プロに近い味が少しは出せるわけさ」
「確かに。塩分とかカロリーとかも全部数値化されているもんね」
菜美「お前、レシピを完成させるのがどれだけ大変か。美味しんぼを全巻買ってきて読め。それからだ」
「いや、俺は別に料理人じゃないし。海原雄山は漫画のキャラでしょ」
菜美「まあ、モデルは北大路魯山人だけどな。とにかく、レシピは守るように。あと、器がダサいからちゃんとしたものを揃えるように」
「やること多すぎ」
菜美「当たり前だろ。家事は奥が深いんだから」
「じゃあ、ちょっと量り直して味を調えて、いかがでしょうか?」
菜美「まあまあかな。しゃきしゃきおいしいから65点」
「うん、いい塩梅。食欲ないときにいいかも。あっ、冷ややっこやソーメンの具でもいいね」
菜美「ナイス! ていうか、もはやつまみじゃん。さっと作って、ビールも持ってきて!」
「我が家にも海原雄山が・・・」

材料(2人分)            
ネバリスター50グラム
島ラッキョウ30グラム
キュウリ1/2本
大葉5枚
ショウガ5グラム
シシトウ5本                                
塩昆布10グラム
A
濃口醤油大さじ3
みりん小さじ2
酢 大さじ1/2
砂糖 小さじ1

◎レシピ
調理時間10分~15分
エネルギー262キロカロリー
食塩相当量4.8グラム
        

①ネバリスターときゅうりは5mm角に切り、塩水にさらしておく。        
②島らっきょうは薄い輪切りにして、空気にさらして辛味を飛ばしておく。(水にさらすと栄養価が抜ける可能性があります)。大葉、しょうが、ししとうは細かく刻んでおく。  ③容器に水気を切った①②と塩昆布を入れ、Aの調味料を加えよく混ぜ合わせたら出来上がり。冷蔵庫で冷やすと美味しさアップ。

◎ポイント
ネバリスターとキュウリを塩水にさらすことで、味を馴染みやすくし、変色を防ぐ効果がありますよ。

◎栄養のまめ知識
夏にぴったりなだしは、体を冷やしてくれる野菜をよく使いますが、今回のレシピはキュウリ以外は体を温める作用がある野菜を入れています。クーラーや冷たい飲み物で冷えた身体の中から温め、汗で失った潤いやエネルギーも補えるよう体に優しい一品に仕上げています。

◎シェフが教えるお料理の紹介
だしは山形県の郷土料理で、「100軒の家があれば100種類の味がある」と言われており、レシピは各家庭によってさまざまです。具材には基本となるキュウリやナスの他タマネギやニンジン、梅干しなどをいれる家庭もあります。ぜひ、みなさんもわが家の「だしレシピ」を作ってみてください!
(レシピ作成・コスモフーズ)