【川崎】川崎市で路上生活をしている沖縄出身者の記録集が5月に発行された。まとめたのは、1994年から活動を続ける川崎野宿者聞き取りチーム。沖縄出身者は独自のネットワークで、場所取りなどで助け合う「ゆいまーる」の特徴があるという。基地問題に怒り、県選出校の甲子園の試合結果に喜ぶなど社会の動きにも敏感。沖縄に思いをはせるウチナーンチュ181人の歩みを通じ、ホームレスの実情をつづった。(東京報道部・照屋剛志)

沖縄出身の野宿者から話を聞く水嶋陽さん=川崎市(提供、画像は一部加工しています)

■独自のネットワーク

 川崎市でホームレスを巡回支援し、チームの中心となっている水嶋陽さん(63)が沖縄出身者の多さに気付き、2014年から沖縄に絞った調査を始めた。

 ホームレスに寄り添い本音を引き出すため、対面での聞き取りが原則。7年かけて53人から聞き取った。さらに同チームの94年からの調査データベースにある沖縄出身者の情報を加えた251人のうち、181人分を「特集 沖縄-労働-野宿」として発行した。

 沖縄出身者は独自のネットワークを持ち、集まって野宿する傾向があるという。場所取りだけでなく、仕事も分け合う。沖縄出身の経営者や会社員から仕事を紹介してもらい、野宿を脱するケースもある。

■積極的に沖縄の情報

 水嶋さんは「ウチナーンチュと言えばすぐに打ち解ける。沖縄のつながりの強さを感じる」とする。

 沖縄の情報を積極的に集めており、辺野古新基地問題や、甲子園に出場した県代表校にも詳しかった。主にラジオから収集している。復帰前にパスポートで渡ってきた人も多く、よく地元に帰るのも他県出身者との違いだ。

 水嶋さんは「沖縄人野宿者の生の深み、広がりを、少しでもこの特集で明らかにしていきたい」と話した。

 特集は送料込みで2500円。利益は野宿者の支援に充てる。問い合わせは水嶋さんのメール、story@jcom.zaq.ne.jp へ。