局地的な豪雨をもたらす「線状降水帯」の発生メカニズムを解明するため、気象庁や全国の大学による集中観測が16日から始まる。琉球大学は全国に先だって9日から気球による観測をしている。データの一部は線状降水帯の半日前予報にも活用される。

線状降水帯発生の仕組みを解明するため、観測機器をつるしたゴム気球を飛ばす琉球大学の学生=14日、西原町・琉球大学

 集中観測は、防災科学技術研究所や琉大など14機関が連携。2020年の豪雨で大きな被害が出た九州を中心に調べる。

 線状降水帯を構成する積乱雲は、空気中の水蒸気量が多くなることで発生する。琉大による観測は、九州に流れ込む水蒸気を「上流」で捉えられるため、半日前予報の精度の向上も期待される。

 観測機器「ラジオゾンデ」を直径約1・5メートルのゴム気球につるして飛ばし、上空の気温、湿度、気圧、風向、風速を測る。1日4回で、線状降水帯が発生しやすい状況では頻度を2倍にする。

 琉大の山田広幸教授(気象学)は、線状降水帯は深夜から早朝にかけて発生することが多く、避難が遅れがちだと指摘。「より早く正確に予測できれば早めの避難行動につながり、多くの命を守れる」と話した。

 観測の重点実施期間は、本土の梅雨期間に当たる7月20日までの予定。

(社会部・東江郁香)