米環境保護局(EPA)が15日、有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の飲料水の生涯健康勧告値を大幅に引き下げたことが分かった。これまでPFASの一種のPFOA(ピーホア)とPFOS(ピーホス)の合計値で1リットル当たり70ナノグラムだったが、PFOAは0・004ナノグラム、PFOSは0・02ナノグラムとし、合算で約3千倍の厳しさとなる。(社会部・平良孝陽)

米環境保護局のPFAS勧告値

 日本政府はEPAの従来の勧告値を参考に暫定指針値・目標値(50ナノグラム)を定めている。県内の水質汚染は新しい勧告値を大幅に上回っており、影響が及ぶ可能性がある。

 勧告値は生涯飲み続けても健康影響がないと考えられる水準を示し、法的拘束力はない。EPAは「暫定的なもので、国の正式な基準が施行されるまでの間、州や水道当局に情報提供する目的」と説明する。別の種類のPFASであるGenXやPFBSの勧告値も新たに設定した。

 PFASは人の体内や環境中に長く残ることから「フォーエバー・ケミカル(永遠の化学物質)」と呼ばれ、世界的に厳しい目が向けられている。有害化学物質を国際的に規制するストックホルム条約の締約国会議ではこのほど、ジュネーブの会合で、PFASの一種PFHxS(ピーエフへクスエス)の使用禁止に合意したばかりだ。

 勧告値の見直しを受け、日本国内の暫定基準を定める環境省は「注視が必要で今後も情報収集して検討したい」、厚生労働省は「国際的に幅のある設定値で、情報を精査して対応を検討したい」と述べた。

 PFASの問題に詳しい京都大学の原田浩二准教授(環境衛生学)は「極めて厳格で、実効性を持つか疑問はあるが、飲料水にPFASが含まれていること自体を問題視するEPAのスタンスの表れだ」と指摘した。