米環境保護局(EPA)が有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)の生涯健康勧告値をゼロに近い数値に引き下げたことを受け、米軍基地などから排出されるPFASの問題を追及してきた沖縄県内の市民団体などは「米政府が危険性を表明した意義は大きい」などと評価。今後、実効性のある環境対策に結び付くか、日米両政府の対応を注視している。(社会部・島袋晋作、平良孝陽)

PFAS除去のため、金武浄水場に活性炭を入れる作業員=5月、金武町

 環境調査団体インフォームド・パブリック・プロジェクト(IPP)の河村雅美代表は「米政府がPFASの危険性を表明したということだ。法的拘束力はないものの、米軍が定める日本環境管理基準(JEGS)も日米の基準でより厳しい方を採用するとしており、基地対策への影響も大きい」と指摘した。

 従来より踏み込んだEPAの対応について「米国市民や議員らのプレッシャーがあり、今後、PFAS規制の対象は大気や土壌、廃棄物にも広がる可能性がある」と分析。その上で「これだけの低い数値となったことを日本の行政も無視はできないだろう」と改善を期待した。

 PFAS汚染から市民の生命を守る連絡会の伊波義安共同代表は「放射能と同じで、基準値があることでPFASが含まれることにお墨付きを与えてしまっていた。ゼロにしていく流れは妥当だ」と強調した。

 EPAの指針が今後、米軍基地からの排出規制につながるか注目しつつ「汚染された土壌の浄化も必要となる。基地返還後に日本が負担を被らないよう、日本政府も強く立ち入り調査を求めるべきだ」と訴えた。

 PFASを含む汚水は、普天間飛行場から宜野湾市の普天間第二小学校近くに放出されていたことも、本紙報道で明らかになっている。子ども2人を通わせる具志堅美乃さん(44)は「どのような健康被害が起こるか心配。一滴たりともPFAS汚水を流してほしくない。国や県は一刻も早く校内の土壌調査をしてほしい」と願った。