那覇市楚辺で「八洲民芸店」を営む宮城且事さん(77)、妻洋子さん(79)が半世紀にわたって収集した全国の郷土玩具、数万点の引き取り手を探している。店はコロナ禍の落ち込みもあり今年いっぱいで閉店予定。且事さんは「これだけのコレクションは他にはない。公共施設でもいい、まとめて展示してくれる人に全て譲りたい」と話す。(社会部・城間陽介)

「これだけの郷土玩具コレクションは他にないはず」と話す宮城且事、洋子さん夫妻=7日、那覇市楚辺の八洲民芸店

 且事さんの趣味が高じて全国から収集した郷土玩具はこけし、張り子、たこ、お面、こま、まりなど多岐にわたる。店舗2階のギャラリーに所狭しと陳列され、さらに倉庫にも残っているという。

 且事さんは10~20代にかけて油絵画家を志し上京。東京の民芸店に勤めた際、郷土玩具などぬくもりのある民衆工芸品に心引かれた。沖縄に戻り1975年、国際通り近くに民芸店「琉球八洲」を開店。当時三越や山形屋などのデパートに全国から取り寄せた工芸品を卸し、順調に売り上げを伸ばした。

 当時は「デパートで物産展があると民芸品はほとんどうちから仕入れていた」と話す。さらに「本土の転勤族の間で工芸品の土産がちょっとしたブームで『(本土の)地元でも目にしないものが沖縄にある』と口コミが広がった」。且事さんの収集熱は一層高じて、全国各地の民芸品コレクションのため自己資金をつぎ込んだ。

 しかし時代の流れで人々のライフスタイルが変わり、和物が次第に売れなくなってゆく。コロナ禍が拍車をかけて民芸店を閉めることにした。数万点の郷土玩具も全て譲ると決心した。

 「人生を懸けて集めてきた品々。個人的な収集目的で引き取るのではなく、人の目に触れる形で展示できる人に譲りたい。展示ケースも一緒にあげます」と引き取り手を求めている。

 妻洋子さんが経営する1階の八洲民芸店では半額セールを展開する。問い合わせは同店、電話098(836)1888。