参院選がきょう公示される。

 沖縄選挙区は、無所属で「オール沖縄」勢力が推す現職の伊波洋一氏(70)と、自民党公認で新人の古謝玄太氏(38)による事実上の一騎打ちとなる見通しだ。

 長年、非改選議席を含め保革1議席ずつ分け合ってきた同選挙区だが、自民党は2013年、16年、19年と3連敗を喫し、16年からは「オール沖縄」が2議席を独占してきた。

 今回、古謝氏が議席を奪還すれば自民側の連敗が止まり、ほぼ同じ構図で立候補が予定されている9月の県知事選へ弾みをつける。

 伊波氏が再選されれば今年の県内首長選挙の連敗を覆し、「オール沖縄」が退潮傾向に歯止めをかけ知事選への好材料となる。

 2年以上続くコロナ禍で県経済は大きな打撃を受けている。両氏とも産業や県民の暮らしへの支援が急務として力点を置くが、手法は異なる。

 伊波氏は、インバウンドの再開や、新たな振興法に基づく離島や北部の振興に取り組むという。

 古謝氏は観光、健康、環境、海洋、起業を「新5K経済」と提言し、その促進を図るという。

 両氏には、それぞれの産業振興が確実に県民の所得向上につながるような道筋を示してほしい。

■    ■

 名護市辺野古の新基地建設については、伊波氏「反対」、古謝氏「容認」と賛否が分かれた。自民党の立候補予定者が容認を表明するのは、16年の選挙で伊波氏に敗れた島尻安伊子氏以来となる。

 建設現場で軟弱地盤が見つかったことで政府は、普天間飛行場の返還が「22年度またはその後」から「30年代半ば以降」に大幅にずれ込む見通しを示している。

 具体的に問われるのは、この状況をどのように見るかだ。両氏には、少なくとも今後十数年間、普天間飛行場の危険性が放置される恐れがあるという現実をどう評価するのか聞きたい。

 日米地位協定の改定の必要性については、両氏とも一致した。

 伊波氏は野党の立場から、古謝氏は自民党の中から、それぞれどのような手法で改定を実現するのか、具体策を示してほしい。

■    ■

 今回は参院の定数248のうち124議席(選挙区74、比例区50)と、神奈川選挙区の欠員1を埋める計125議席を争う。

 コロナ禍と、緊迫化する国際情勢に伴う物価高騰の影響を受けた国民の暮らしの立て直しが最大の争点に浮上している。一方、党首討論会で岸田文雄首相は、自民党の改憲案について「極めて現実的で、緊急を要する」と述べた。

 与党が参院選を制したと言える結果を残せば、改憲機運が高まる可能性もあり、日本の針路が問われる選挙にもなる。今後3年間、国政選挙がない状況があり得ることを念頭に政策を見極めたい。