沖縄県南風原町からブラジルに移民し、従業員7千人の菓子大手「パンコ」を創業した故・与那嶺清照さんを題材にした紙芝居「沖縄の星 ブラジルの菓子王」の上演会が18日、南風原文化センターで行われた。作者の新垣正宏さん(78)が苦難の歩みを盛り込んだ17枚を読み上げると、集まった観客が聞き入った。

ブラジルで活躍した与那嶺清照さんを題材にした紙芝居を披露する新垣正宏さん=18日、南風原町・南風原文化センター

 町宮城出身の与那嶺さんは1937年、9歳で移民した。農業に携わった父が亡くなったため一家の大黒柱となり、23歳でパン店で働いたことをきっかけに菓子製造の道に進んだ。

 苦労を重ねて大企業を育て上げ、ヘリコプターでブラジル国内を飛び回り自宅には駐機場もあるほどの成功を収めた。素顔は沖縄の民謡「汗水節」の精神を好む謙虚な人物という。

 上演した新垣さんは「沖縄には虐げられてきた歴史がある。たたかれても逆境からはい上がるウチナーンチュの魂を与那嶺さんに感じた。先輩に見習って頑張っていきたい」と語る。

 主人公の親戚に当たる與那嶺満代さん(59)も来場した。50年ほど前、当時は高価だったステレオを家族でもらった記憶があるといい「家族を養うため苦労をしたと聞いて感動した」と感極まった様子だった。

(南部報道部・又吉健次)