参院選の最重要争点に、物価高が急浮上している。

 共同通信が18、19日に実施した全国世論調査で、投票の際に重視する政策のトップが「物価高対策・経済政策」の42・0%だった。

 コロナ禍による苦境に物価高が追い打ちをかけている。影響は低所得層だけでなく中間層にも広がる。暮らしを支える具体策が問われている。

 原油や小麦の輸入価格高騰に伴い、沖縄でもガソリンや沖縄そば、天ぷらなどの価格が上昇した。菓子や乳製品、おむつなど生活必需品全般に影響が及んでおり、家計は苦しさを増している。

 コロナ禍がピークを過ぎ、経済回復が見えると思った矢先である。特に、食品や日用品さえ悩みに悩んで購入する低所得層ほど大きな打撃を受けている。

 ウクライナ危機、中国の都市封鎖、円安が複合的に輸入価格を押し上げ、値上げは今年1年で1万品目を超えるとの調査もある。5月の消費者物価は、生鮮食品を除いて前の年より2・1%上昇。伸び率は、約7年ぶりの大きさとなった4月と同じだった。

 問題は物価は上がるのに賃金が増えないことだ。物価上昇の影響を考慮した4月の実質賃金は、1・7%減った。

 世論調査では、岸田文雄首相の物価高への対応を「評価しない」が64・1%を占めた。内閣支持率56・9%は5月より4・6ポイント下落しており、物価対策への厳しい視線が支持低下に直結している。

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 自民は、日本は海外より物価上昇は低く抑えられていると強調。石油元売りへの補助金で燃油価格を抑制する制度の継続を訴える。公明も原油高騰の影響を受ける事業者への補助金拡充を掲げている。

 野党は「岸田インフレ」(立憲民主党の泉健太代表)と批判し、物価高を最重要争点に位置付ける。各党は市民の負担を緩和するため消費減税を訴える。立憲、維新、国民、共産は期限を付けているかどうかの違いはあるが、いずれも5%への引き下げを主張。社民は3年間ゼロ、れいわは廃止を掲げている。

 ただ、消費減税は1%当たり税収が2兆6千億円減る。法人税や所得税の伸びで補える保証はなく、追加増税や国債発行など替わりの財源とセットで論じる必要がある。

 抜本的な解決方法は、所得の向上だろう。

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 賃上げを巡り、立憲、共産、れいわ、社民は最低賃金1500円を掲げる。自民も最賃引き上げを盛り込み、公明は賃上げを協議する政労使の第三者委設置を打ち出した。

 昨年度の全国平均は930円。沖縄の820円は高知と並び全国最下位だ。せめて千円を超えなければ、家計が物価高の痛みに耐えられない。

 物価高を招いた要因の一つ円安は、アベノミクスによる異次元の金融緩和と財政出動が要因との指摘が根強い。岸田首相も金融緩和を維持する継承路線だ。物価対策とともに、アベノミクスの副作用も問い直さねばならない。