沖縄県名護市内にある個人運営の学童クラブが市の補助金を不正に受給したとして、市が本年度分の補助金を不交付とし、昨年度分の全額約1800万円の返還を求めていることが25日までに分かった。市は刑事告訴も検討している。
運営する2カ所の学童クラブは6月30日で閉鎖する方針を示しており、通っている児童60人以上の新たな受け入れ先を市が探している。
同クラブの代表によると、2021年度の市の放課後児童健全育成事業補助金を申請する際、雇用契約は結んでいるが勤務実態のない3人分の人件費をあるように偽った。また従業員のタイムカードの出退勤時刻を無断で操作し、労働時間も実際より多く申告したという。
昨年度はクラブの運営費のうち同補助金が約4分の3を占めていたといい、不正受給額は「はっきり分からないが少なくとも数百万円」と説明した。代表は22日に説明会を開き、保護者らに謝罪。24日には同クラブ2カ所を閉鎖することを報告したという。
同クラブに子どもを通わせる保護者の一人は「人当たりが良く、子どもたちからも慕われていた方だったので驚いている。シングルで子育てをしているので、早く次の学童が見つからないと仕事もできなくなる」と不安を漏らした。
代表は取材に「私の軽はずみで身勝手な行動で多くの保護者と子どもたちに大変なご迷惑をかけてしまい、心から申し訳なく思う」と話した。
市は「激しい憤りを感じている。夏休みが迫る中、切れ目なく、条件も変わらない受け入れ先を確保できるよう対応したい」と説明した。
(北部報道部・西倉悟朗、編集委員・福元大輔)