沖縄県北谷町の「ランドマーク」として2000年4月末の開業以降、多くの県民に親しまれてきた県内唯一の観覧車がある商業施設「カーニバルパーク・ミハマ」が9月末までに解体される。新たなランドマークの創出を模索する町は、民間活力の利用も視野に企業と取り組みを進めている。地域からは解体を惜しむ声と同時に、新しいシンボルの誕生を期待する声は多い。(中部報道部・砂川孫優)

解体作業が進む大観覧車=15日、北谷町美浜

北谷町美浜「カーニバルパーク・ミハマ」の大観覧車は、県内最大で高さ50メートル。オープン初日には待ち時間約50分の長蛇の列ができた。行楽のメッカとして人気を集めた=2000年4月29日

解体作業が進む大観覧車=15日、北谷町美浜 北谷町美浜「カーニバルパーク・ミハマ」の大観覧車は、県内最大で高さ50メートル。オープン初日には待ち時間約50分の長蛇の列ができた。行楽のメッカとして人気を集めた=2000年4月29日

 高さ50メートルの観覧車があるカーニバルパーク・ミハマは、ショッピングとアミューズメント機能を備えた施設として開業。テナントは最大で66店舗に上った。

 中でも観覧車は、季節やイベントに合わせたイルミネーションも話題となり、町のランドマークとして根強い人気を誇った。開業した初日は約4千人が施設を訪れ、観覧車乗り場は待ち時間が最大50分になるほどの長蛇の列ができた。

 しかし、大型店舗の相次ぐ進出などで利用者が減少した。施設の維持、改修費の負担もあり、再開発案が浮上した。跡地には約220室のホテル建設が計画され、今年6月から解体作業が進んでいる。

 観覧車周辺で客待ちをする50代のタクシー運転手は「観覧車と一緒ににぎわった当時の面影は今はない。このエリアが再び、再興してほしい」と振り返った。隣接するアメリカンビレッジで働く30代の女性は「北谷といえば観覧車。なくなるのは残念だけど、新しい町のシンボルに生まれ変わってほしい」と願った。

 町議会6月定例会で町側は、町独自で観覧車に変わる新たなランドマークの創出について「大変厳しい」との考えを示すとともに、観覧車の撤去に伴い、地元事業者と協議していると明らかにした。

 渡久地政志町長は「観覧車は県民に愛されたシンボル。観光立町として民間の力を生かした新たなシンボルを行政として検討したい」と話している。