医療関係者や土壌肥料学などの専門家らでつくる「宮古島地下水研究会」の友利直樹共同代表らは28日、沖縄県宮古島市平良下里の水道水や各地の地下ダム、湧水から微量ながら化学農薬成分を検出したと発表した。同研究会は昨年末に市内10地点を調査し、9地点で成分が出た。下里の水道水からは3種類の化学農薬成分を検出。医学博士の友利共同代表は「農薬成分の体内移行が普通に起こっていることを示す。今すぐ健康に影響が出るものではないが、胎児や乳児、子どもへの影響が懸念される」と警鐘を鳴らした。

(資料写真)宮古島市の与那覇前浜ビーチ 

 同研究会によると、下里の水道水から「ネオニコチノイド系のクロチアニジン」「ジノテフラン」「フェニルピラゾール系のフィプロニル」の化学農薬成分を検出。市内10人の尿を調査したところ、ネオニコチノイド系農薬成分・代謝産物が痕跡を含め全員から検出された。ネオニコチノイド系農薬には自閉症やパーキンソン病、肥満のリスクの可能性もあるという。

 ネオニコチノイド系は水質基準が設定されておらず、宮古島市は測定していない。フィプロニルは管理目標数値の約200分の1にとどまるが、降雨後や干ばつ時で濃度が変わることもある。市内には河川がなく地下ダム建設で海への流出が少なくなったため、農薬成分が地下水に蓄積しやすい環境となっている。

 友利共同代表は29日に座喜味一幸市長に状況を説明し、定期的な調査や化学農薬に依存しない農法の検討などを求めていく。(宮古支局・當山学)