今年の沖縄県立高校入試に出題された社会科の問題で、1972年5月15日の沖縄の日本復帰を正しく答えられた割合は28・4%だった。県教育庁が29日、明らかにした。歴史教育の専門家は「復帰50年で時事問題が出ることは予想できたはずだが、低い正答率となった。沖縄の歴史が定着していないことがあらためて浮き彫りになった」と述べ、沖縄の歴史教育の充実を訴えた。

復帰記念式典で新しい県政スローガンをバックにあいさつする屋良朝苗知事=1972年5月15日、那覇市民会館

 沖縄歴史教育研究会が今年1~3月に実施した、県内高校生アンケートの正答率は22%。調査方法や対象年齢が異なるため単純比較は難しいが、計算上は約6ポイント上回ったことになる。

 復帰の問題は選択ではなく、年月日を全て記述する形式。社会科の設問は全44問で、平均正答率は55・2%だった。

 米軍統治下の沖縄の状況も4択形式で出題。正解の「復帰前の沖縄では、長い間通貨としてドルが使用されていた」と答えた割合は76・3%だった。

 歴史教育に詳しい新城俊昭沖縄大客員教授は「復帰の出題を予想した学校や塾講師が対策し、高校生の結果を上回ったのだろう」と分析。一方で正答率は3割を切っており「依然として関心の低さが表れている。教える側の認識も問われる」と危機感を示した。

 県教育庁によると、一般入試の受験者数は1万1157人。正答率は10分の1のデータを統計的に抽出して算出した。(社会部・下里潤)