沖縄県国頭村安波の県道で神奈川県の男性(29)がひかれて死亡したひき逃げ事件で、県警捜査本部(本部長・大城盛和名護署長)は29日夜、国頭村に住む国頭地区行政事務組合消防本部の消防士長(41)を自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(救護義務違反)の疑いで緊急逮捕した。調べに対して事件発生の時間帯に車を運転していた事実を認め、「事故を起こしたかもしれない」と話しているという。捜査本部は捜査に支障があるとして、詳しい認否を明らかにしていない。

記者会見で職員の逮捕を謝罪する国頭消防本部の稲福伸消防長ら=30日午後4時半ごろ、国頭村辺土名

 逮捕容疑は24日午後9時50分ごろ、国頭村安波の県道70号で軽乗用車を運転し、男性をひいて救護せずに逃げた疑い。

 男性は同日午後10時15分ごろに意識不明の状態で倒れているのが発見され本島北部の病院へ搬送されたがその後、死亡が確認された。

 現場の道路や男性の背中に引きずられたような痕があり、顔にも出血があったことなどからひき逃げ事件と断定。現場付近の聞き込みや防犯カメラの分析などで容疑者を特定した。

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「心よりおわび」消防が謝罪会見

 国頭地区行政事務組合消防本部の稲福伸消防長は30日、職員の逮捕を受けて国頭村の同本部で会見し、「生命を守る消防職員がこのような事故を起こし心よりおわび申し上げる」と謝罪した。今後、厳正に処分するとしている。逮捕された容疑者(41)は2017年以降、消防車や自家用車で計5件の物損事故を起こしていた。稲福消防長は「運転に注意散漫なところがあった」と述べた。

 ひき逃げ事件当日の6月24日は非番。翌25日は押収された軽乗用車で通勤し、午前8時半から予定通り勤務した。特に変わった様子はなかったという。

 次の勤務日の29日夜、職場で県警に任意同行を求められるまで、事故との関わりに気付いた同僚はいなかった。容疑者は日頃から酒を飲む習慣はなかったという。