沖縄県北谷町から買い受けた町上勢頭の米軍嘉手納基地跡地に自宅を建てた男性(79)が建設後、地中に廃棄物があると判明し「土地の価格が減少した」として、町に損害賠償を求めた訴訟の判決で、那覇地裁沖縄支部(足立堅太裁判長)は30日、男性の請求を棄却した。男性は控訴する方針。

裁判所

 判決によると、1996年に返還され、町が所有権を得た土地を男性が2006年に買い受け、08年に自宅を新築。その後の沖縄防衛局調査で、米軍に起因する可能性が高い廃棄物の埋設が判明した。男性は土地の売買価格の30%、約640万円などを請求していた。

 足立裁判長は契約上、廃棄物が一切存在しないことまでは予定されていなかったと指摘。廃棄物の安全性が確認されているため放置しても生活に問題はなく、「宅地利用に与える影響は軽微で、品質、性能を欠くとは認められない」とした。埋設物の存在による地盤沈下の恐れも、専門業者の調査を基に退けた。

 北谷町の渡久地政志町長は「判決文が届いていないので詳しいコメントは差し控える」とした上で「町の主張と立場が認められたと理解している。跡地利用に関して町民に不利益が生じないよう、対応していきたい」と述べた。

 原告男性は「まさか棄却されるとは。売り主の町が補償してほしい」と訴えた。代理人の新垣勉弁護士は「米軍の埋設物を瑕疵(かし)と認めていないことは大変不服だ」とコメントした。