プルタブ付きの透明な容器に入った「ケーキ缶」。数年前に沖縄県外で話題になったのを機に、宜野湾市普天間の「さんるーむ」(我如古寿(ひさし)代表)がことし1月から県内3店舗で販売している。寿さんの息子で豊見城市瀬長店の店長、隼人さん(27)は、フルーツ、クリーム、スポンジのきれいな層を天国の祖母が見たら「缶のラベルね」と聞くだろうと想像する。「食べられると知ったら『あいえーなー』だと思います」。(中部報道部・平島夏実)

(左から)夏季限定のキウイフルーツ缶、定番のチョコバナナ缶、バナナ缶。冬季はイチゴを使ったショートケーキ缶が出る

ケーキ缶などが並ぶキッチンカーと平良有治さん(左)、我如古隼人さん=6月29日、宜野湾市普天間の「さんるーむ」

(左から)夏季限定のキウイフルーツ缶、定番のチョコバナナ缶、バナナ缶。冬季はイチゴを使ったショートケーキ缶が出る ケーキ缶などが並ぶキッチンカーと平良有治さん(左)、我如古隼人さん=6月29日、宜野湾市普天間の「さんるーむ」

 「さんるーむ」の原点は隼人さんの祖母、故城田キミ子さんが普天間で1976年に始めた喫茶店。「わが子に食べさせたいスイーツ」をコンセプトに、現在はスコーンやパイなどを手作りしている。

 ケーキ缶は、県外催事に積極的に出かける寿さん(59)が着目した。容器に材料を詰め、県外から取り寄せた専用マシンで缶のふたを閉める。沖縄ではまだまだ珍しく、1缶税込み900円前後と高めでも作った分は毎日ほぼ売り切れるという。

 隼人さんが1時間に作れるケーキ缶は7個が限界。普天間店の店長、平良有治さん(55)は「当初は1時間に1個でした」と明かす。フルーツは薄く切らないと容器に張り付かない。クリームは容器の表面との間に気泡が入らないよう、慎重に詰める。スポンジを敷く際は、容器の内側をいったん拭き取る。冷房の効いた空間で作っていても、のんびりしているとクリームが溶け出すため時計とにらめっこだという。

 「どれだけ丁寧に作っているか、一目で分かるのがケーキ缶です」と平良さん。店舗前のキッチンカーでは、自信を持ってショーケースの最上段に並べている。

 販売は毎日数量限定で、普天間店、豊見城市の瀬長島店、マックスバリュとよみ店とも要予約。

 普天間店への問い合わせは、電話098(892)4418(午前10時~午後9時、日曜定休)。