KDDI(au)の大規模な通信障害は、沖縄県内にも影響を及ぼした。特に物流業界での影響が顕著で、配送に関する連絡が取れなくなったことで、顧客対応に追われる事業者もあった。復旧のめども立っておらず、台風4号の接近と重なる最悪の形となったことから、影響の広がりや長期化を懸念する声もあった。(政経部・川野百合子)

(資料写真)KDDIが展開する「au」のロゴマーク

KDDI本社が入るビル=2日午後、東京都千代田区

(資料写真)KDDIが展開する「au」のロゴマーク KDDI本社が入るビル=2日午後、東京都千代田区

 引っ越しや輸送を手がける沖縄配送(宜野湾市)では、顧客との連絡が取れないケースが多発し、対応に追われた。見積もりや引っ越し前の最終連絡、段ボール配送日など、顧客との連絡は電話が基本だ。

 担当者は「お客さんが公衆電話から日程変更を連絡してくれるケースが何件かあった」と説明。ただ、日時の最終確認が取れていない客もいるという。「こちらから連絡する手段がなく、この状態が長引くと困る」と心配する。

 物流のヤマトホールディングス(HD)は同社ホームページ(HP)で、ドライバーとの電話ができない、荷物の問い合わせシステムに最新情報が更新されないなどの影響を列挙。子会社の沖縄ヤマト運輸(糸満市)も「重要なおしらせ」としてHPに載せた。

 県内の金融機関では、ATMなどを含むシステムなどで障害による影響は確認されていない。ただ、Wi-Fiにつながっていない状態でのデータ通信は不安定なことから、インターネットバンキングや一部のサービスで顧客に影響が出ている可能性はある。

 多くの企業は、社内の連絡体制に電話のほかLINE(ライン)やメールなどを併用しており、リスク時の連絡体制に問題はないと回答する。

 ただ、ある金融機関の担当者は「県内はauユーザーが多く、固定電話を設置していない家庭も増えているので、今後の連絡体制の在り方も検討する必要があるかもしれない」と話す。

 KDDIの子会社の沖縄セルラー電話(那覇市)では、法人の契約先に障害が起きていることを報告し謝罪のメールを送るなど対応に追われた。

 約75万2千の総契約数のうち、実際に影響が出ている件数を把握するのも困難な状況。同社は「県民のお客さまには多大なご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」とコメントを発表した。