KDDIが提供するauなどの携帯電話サービスで2日未明から発生した通信障害。沖縄県内でも影響は広がり、音声通話ができず、ネット通信が不安定になるなど、携帯電話販売店には多くの人が詰めかけた。医療現場では新型コロナウイルス感染で自宅療養する患者の一部と連絡が取れなくなり、消防は台風が本島に接近する中で緊急の119番は固定電話を利用するよう呼びかけるなど異例の事態に発展した。

auの店頭で通信障害を知らせる看板を見つめる利用者=2日、那覇市銘苅

■故障と勘違いし来客

 那覇市銘苅のauの販売店の入り口には全国的な通信障害を知らせる立て看板が設置され、復旧のめどを問い合わせる利用者や携帯電話の故障と勘違いした人が次々と訪れた。

 那覇市の女性(22)は夜中にスマートフォンのネット接続が遅くなったと感じ、通信障害を知った。持病があるため朝から電話で病院に予約をしようとしたが改善されずショップを訪れたといい「店員さんも『全国的なエラーで対応できない』と困っていた。しょうがないけど、復旧を待つしかないですね」と自宅へ戻った。

 店の駐車場でバイクのヘルメットをかぶったままスマートフォンを見つめていた浦添市の男性(41)。「フードデリバリーの仕事をスマホで注文を受けているが、通信が不安定で受注できない」と困った表情を浮かべた。

 デリバリーは決められた期日内で目標件数を達成できないと報酬が支払われない。「台風前に回数を稼ごうと思っていた。通信が不安定なので、オーダーを受けて届けようとしても場所が分からないはず」と肩を落とした。

 街では台風が接近する中での通信障害に不安を感じる声も上がった。大雨のたびに冠水する糸満市潮平で理髪店を構える男性店主(59)は「通信障害と台風と重なった場合、どうなるのだろうか」とつぶやいた。(社会部・銘苅一哲)

■別の回線使用を呼びかけ

 KDDIの大規模な通信障害で、県内各消防では地域住民に対し、緊急通報時にはau以外の回線や固定電話を使うよう呼びかけた。

 那覇市消防局は2日午後、消防車両で市内を巡回し、スピーカーで呼びかけを行った。同日午後11時現在で通信障害による出動時の遅れやトラブルは発生していない。一方、急病人の通報事案で、本来の通報者の携帯がつながらなかったため、別の人を介して通報されたケースが少なくとも2件あったという。

 そのほか、同消防局や中城北中城消防本部などでは、救急車内から病院との連絡用携帯電話をau以外の他社の携帯で代用するなどで対応した。(社会部・矢野悠希、中部報道部・屋宜菜々子)

■アメダスに波及 台風4号の観測支障なし

 気象庁は2日、KDDI(au)の通信障害の影響で、2日午前1時35分ごろから気温や降水量などを観測している地域気象観測システム(アメダス)のデータの一部が配信できなくなったと明らかにした。復旧を急いでいる。

 気象庁によると、台風などの気象予報に大きな影響はない。

 また、沖縄気象台によると、不特定多数の観測点でデータの受信が不安定な状況が続いているが、現在発生している台風4号の観測や予報に大きな支障はないという。