「沖縄タイムス」「沖縄新聞」「沖縄朝日新聞」「沖縄毎日新聞」-。戦前に沖縄で発行されていた新聞紙面計63枚を、県教育庁文化財課史料編集班が高知県立牧野植物園で発見した。うち8枚はこれまで現物やコピーが確認されておらず、掲載内容が明らかになるのは初めてとみられる。納富(のうとみ)香織指導主事は「新聞が1枚でも見つかれば、その日に起こった出来事が分かる。歴史の空白を埋める貴重な資料」と語った。(社会部・當銘悠)

戦前に県内で発行されてい新聞。現物がこれまで確認されていなかった紙面も発見された

 沖縄では戦争で多くの歴史資料が焼失。同班は2017~21年に8回にわたって植物園に出向き、植物標本を挟むために使われていた新聞を調査していた。

 今回収集した63枚は1900(明治33)年~22(大正11)年の発行。うち新発見とみられる8枚は、国会図書館や東京大学の明治新聞雑誌文庫などでも見当たらないという。

 21年5月24日付「沖縄タイムス」(現在の沖縄タイムスとは別)の3面には、「重大な今回の市議選挙」との見出しで、那覇市の選挙の様子が書かれている。

 22年7月29日付「沖縄朝日新聞」2面には漁村別の漁獲高や魚種が掲載され、当時の暮らしぶりをうかがわせる。同じ紙面には、教育者の豊川善曄氏の論考もあった。

 植物標本が入った段ボールは約220箱あり、これまでに約180箱を調査した。さらに作業を継続するという。

 新聞は植物園から貸借され、同班で保管されている。