沖縄でも人口減少対策が急務となってきた。

 りゅうぎん総合研究所が、沖縄県の人口は2021年の146万8400人をピークに減少に転じたとみられると推計した。これまでは国立社会保障・人口問題研究所の18年の推計で、県人口は30年ごろがピークとされてきた。

 歴史的な転換点といえる。

 背景には少子化がある。「合計特殊出生率」で沖縄は全国一とされるが、それでも1・79前後で大きく改善していない。推計では、65歳以上の老年人口が30年には26・5%と県人口の4分の1を超える。このうち75歳以上が過半を占めるという急激な高齢化も予想している。

 単なる人口減少ではなく、人口構造そのものが大きく変化するのだ。

 県が公表した推計人口では22年1月以降、4カ月連続で死亡数が出生数を上回る「自然減」が続いている。新型コロナウイルス禍により結婚や妊娠を先延ばしするなども影響しているとみられる。

 新・沖縄21世紀ビジョン基本計画(第6次沖縄振興計画)は、30年ごろまで人口が増加する前提で立案された。早まる人口減は、その前提を根本から見直す必要性を示している。

 全国的に進む人口減少の流れを止めるのは容易なことではない。ただ、働きながら子育てもできる環境の整備や教育にかかる費用負担軽減などの施策により少子化に歯止めをかけることは可能だろう。国や県は、予想を上回る人口減を念頭に少子化対策を行うべきだ。

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 人口減少は消費の減少にもつながり、地域経済を失速させかねない。地域が活力を失えば、若者は仕事やよりよい生活環境を求め大都市へ流出し、さらに人口が減る悪循環に陥る。

 人口構造の変化は単に過疎化だけでなく、地域の在り方に根本的な変化を与える可能性がある。

 特に多数の離島がある沖縄では、島ごとの人口動態も見ていく必要がある。画一的な少子化対策、高齢化対策だけでは、地域の人口を維持することは難しい。

 地域に適した産業を生み出し、若者が働く場を創出することも人口減少対策では不可欠だ。

 他県では特産の農産物や水産物を使ったり、学校にインターネットによるリモート学習環境を整備したりして地域内外の定住を促し成功している例もある。そうした先行事例も参考にしたい。

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 少子高齢化の中で人口減少に歯止めをかけるには、地域の魅力を磨く必要があるということだ。コロナによりリモートワークやリゾート地で余暇を楽しみつつ働くワーケーションが一般化し、沖縄は他地域にない優位性がある。

 推計が示すように県人口が既に減少期に入っていたとしても、いずれ人口が減ることは統計的に予測されていたことと言える。国内有数のリゾート地という優位性を生かし、移住・定住対策にも力を入れ、離島も含めた沖縄の活力をどのように維持するか、その方法を考えたい。