[現場から 7・10参院選](3)

準備された食料を手に取る女性=5日、那覇市・牧志公園

 5日朝、那覇市の牧志公園で開かれた食料支援。高齢者を中心に約60人が集まり、パンやレトルト食品、バナナなどを受け取った。

 ボランティア団体「ゆいまーるの会」は2020年10月にこの場所で食料支援を始めた。現在は隔週火曜日の「女性の日」、隔週金曜日の「男性の日」を合わせて月に約400人が利用している。高齢者を中心に20~90代の人々が訪れ、コロナ禍で仕事がなくなったという声も聞くという。

 食料を受け取った本島南部の60代女性は、月4万円弱の年金と貯金を切り崩しながら生活する。電気代がかさむためクーラーの使用を控え、今年はまだ一度も付けていない。夏はガスを止め、水のシャワーを浴びる。「できる限り節約するしかない」。自身の生活の状況を県外に住む子どもたちには伝えていない。

 本島南部で中学生の娘と息子を育てるシングルマザーの40代女性。精神障がいがあり働くことができず、月約15万円の障がい年金で暮らす。「貯金はほぼゼロ。家賃や電気代の支払いを待ってもらうこともある」。物価高騰の影響で、高い食材は買わなくなった。食料支援でやりくりする。「どこに頼ったらいいか分からない人も多いと思う。行政には情報をうまく届けてほしい」と願う。

 ゆいまーるの会の嘉手苅直美代表は、民間支援の輪が広がっている一方、ボランティアだけでは資金面は厳しいと感じている。「持続的な支援ができる体制が必要」と強調。参院選の各候補者の貧困問題に対する考え方や取り組みたいことをもっと知りたいと話す。

 参院選の各候補者らは「子どもの貧困の解消」を訴える。県の21年度「沖縄子ども調査」によると、困窮世帯の割合は小中学生調査で28・9%となり、前回18年度調査の25・0%より3・9ポイント増えた。

 みんなのももやま子ども食堂(沖縄市)副理事長の鈴木友一郎さんは「コロナ禍で生活がより厳しくなり、問題が一層可視化された」と指摘する。

 ここ数年、子どもの居場所づくりなど支援も広がってきた。「居場所づくりは必要」とした上で、所得が低い世帯が放課後児童クラブを利用できるようにするなど現行の制度の検証と充実も重要だと考えている。

 「家庭環境によって子どもたちの体験や経験に差が出ることはあってはいけない。子どもの貧困対策の具体的な財源の議論も課題だ」と話した。(社会部・當銘悠)